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エフルエルダの定期接種は誰が対象?費用と違いを薬剤師が解説

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エフルエルダが定期接種になると聞いて、自分や親は公費で受けられるのか、通常のインフルエンザワクチンと何が違うのか、気になっている方は多いのではないでしょうか。新しい高用量のワクチンだけに、費用や対象、副反応の不安もつきものです。

この記事では、エフルエルダの定期接種について、対象になる年齢や費用の目安、標準用量との違い、副反応の頻度までを、公的機関の情報をもとに整理しました。読み終えるころには、ご自身がどの扱いに当てはまり、次に何を確認すればよいかが見えてくるはずです。

この記事でわかること
  • 定期接種(公費)の対象になる年齢と、いつから始まるか
  • 60〜74歳の任意接種(自費)という扱いと費用の目安
  • 標準用量ワクチンとの違いと、抗原量が4倍の意味
  • 筋肉注射の副反応の頻度と、受診を考える目安
目次

エフルエルダは定期接種で受けられる?対象を年齢で早見

結論から言うと、高用量インフルエンザワクチン「エフルエルダ」が定期接種(公費の対象)になるのは「75歳以上」です。2026年10月から導入される予定で、それより前のシーズンや75歳未満では扱いが変わります。

とくに迷いやすいのが、年齢による線引きです。「新しいワクチンができたから、高齢者なら誰でも無料で受けられる」と受け取られがちですが、実際は年齢で次のように分かれます。まずは表で、ご自身やご家族がどこに当てはまるかを確認してください。

年齢エフルエルダの扱い費用のイメージ
75歳以上定期接種(公費の対象)
※2026年10月から
一部が公費負担(自己負担額は自治体が設定)
60〜74歳任意接種(自費)全額自己負担(医療機関が設定)
60歳未満接種の対象外(適応なし)

ポイントは、エフルエルダを「接種してよい年齢(適応)」は60歳以上ですが、「定期接種として公費で受けられる年齢」は75歳以上に限られる、という二段構えになっていることです。この60歳から74歳のあいだの差が、いちばん混同しやすいところです。

「新しい高齢者用のワクチン=全員が無料」ではありません。公費で受けられるのは75歳以上、60〜74歳は受けられても自費、という点を最初に押さえておくと、費用の行き違いを防げます。

エフルエルダの定期接種はいつから?誰が対象になるのか

ここでは「いつから」「誰が公費の対象か」「対象から外れる年齢はどうなるのか」を順番に整理します。制度に関わる話なので、2026年6月時点で決まっている内容として読んでください。

定期接種が始まるのは2026年10月から(予定)

エフルエルダが定期接種に位置づけられるのは、2026年10月1日からの予定です。これは2025年11月に開かれた国の予防接種に関する審議会で了承された方針で、秋からのインフルエンザシーズンに合わせて運用が始まる見込みです。

ただし、開始は将来の予定であり、最終的な施行や細かい運用は今後正式に告示されます。実際に受ける時期が近づいたら、お住まいの自治体の最新のお知らせを確認しておくと確実です。

公費(定期接種)の対象は「75歳以上」

エフルエルダが公費の定期接種となる対象は、75歳以上の方です。高齢者のインフルエンザ予防接種はもともと予防接種法の「B類疾病」という枠組みで行われており、エフルエルダの定期接種化も、この既存の仕組みの中に「75歳以上には高用量を」と位置づけるものです。

B類の定期接種は、本人に接種の義務があるものではなく、希望する人が受ける位置づけです。費用も多くの自治体で全額無料ではなく、一部自己負担が残ることが一般的です(出典: 厚生労働省「65歳以上に実施している予防接種」)。

60〜74歳は「任意接種(自費)」という扱い

先ほどの早見表のとおり、60歳から74歳の方は、エフルエルダを受けること自体はできますが、扱いは「任意接種」で全額自費になります。接種できる年齢(60歳以上)と、公費の対象年齢(75歳以上)がずれているために生じる差です。

なお、65歳以上の方(および60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器の重い病気などがある方)は、従来の標準用量のインフルエンザワクチンであれば定期接種の対象です。高用量のエフルエルダにこだわらなければ、公費で受けられる選択肢がある点も知っておくと判断しやすくなります。

エフルエルダの費用はいくら?公費と自費の目安

費用は多くの方がいちばん気にする点ですが、ここは金額を一つに言い切れない部分です。理由は、公費負担後の自己負担額は自治体が決め、自費の価格は医療機関が決めるため、地域や受ける場所によって変わるからです。

大まかな考え方としては、75歳以上の定期接種は一部が公費で補助され、自己負担は無料から数千円程度まで自治体差があるとされています。一方で60〜74歳の任意接種は全額自費となり、高用量ワクチンであることから、標準用量より高めの価格設定になることが多いと考えられます。

いずれの金額もあくまで目安で、2026年度の正式な公費負担額や自費価格は、各自治体・医療機関で確定していく段階です。受ける前に、自治体の案内と接種を受ける医療機関の両方で最新の金額を確認することをおすすめします。

通常のインフルエンザワクチンと何が違う?抗原量は「4倍」

エフルエルダが「高用量」と呼ばれる理由は、ワクチンに含まれる抗原の量にあります。ここでは標準用量のワクチンとの違いを、量と狙いの両面から見ていきます。

抗原量が標準の4倍(1株あたり15μg→60μg)

エフルエルダは、ウイルスの型(株)1つあたりの抗原量が60μgで、標準用量ワクチンのおよそ4倍です。標準用量は1株あたり15μg程度が目安なので、これを基準にした「4倍」という表現になります。1回分は0.7mLで、その中に複数の型の抗原がそれぞれ高用量で含まれています。

項目標準用量ワクチンエフルエルダ(高用量)
抗原量(1株)15μg程度(目安)60μg=標準の約4倍
接種できる年齢生後6か月から(年齢の上限はほぼなし)60歳以上のみ
接種の方法主に皮下注射1回0.7mLを筋肉内注射・年1回
狙い一般的なインフルエンザ予防加齢による免疫の衰えを補い、重症化や入院を抑える

なぜ高齢者に高用量なのか(免疫の衰えを補う狙い)

年齢を重ねると、体がワクチンに反応して抗体をつくる力(免疫の働き)が少しずつ低下していきます。これは免疫老化とも呼ばれ、標準用量のワクチンでは高齢の方で十分な免疫応答が得られにくいことが課題でした。

そこで抗原の量を増やすことで、衰えた免疫でもしっかり反応しやすくする、というのが高用量ワクチンの考え方です。だからこそ、エフルエルダは高齢者に絞って使う設計になっています。

「4価」から「3価」への移行という最新事情

もう一つ知っておきたいのが、製剤の中身が変わりつつある点です。エフルエルダは当初、4種類の型に対応する「4価」として承認されました。一方で、世界的な方針の見直しにより、インフルエンザワクチンは含める型を一つ減らした「3価」へ移行する流れになっています。

このため、今後実際に出回る高用量ワクチンは「高用量3価」として供給されていく見込みとされています。具体的な切り替え時期などは流動的なので、製剤の最新情報は接種時に確認するとよいでしょう。

エフルエルダはどれくらい効く?重症化・入院の予防

高齢者にとって気になるのは「重症化や入院をどれだけ抑えられるか」です。エフルエルダは、標準用量と比べた有効性のデータが報告されています。ただし数値は海外の試験での相対的な比較であり、流行する型やその年の状況、個人差によって変わる前提で読んでください。

標準用量と比べた有効性(発症・入院の予防)

海外で行われた大規模な臨床試験では、高用量ワクチンは標準用量と比べて、高齢者のインフルエンザ発症を相対的に約24%多く抑えたと報告されています。あわせて、原因を問わない入院や、重い心臓・肺のトラブルについても、標準用量より一定の上乗せ効果が示されました。

さらに、65歳以上の高齢者を対象に肺炎やインフルエンザによる入院を比べた大規模な試験では、標準用量に比べて入院が相対的に約9%少なかったとする結果も報告されています。これらは「標準用量より優れる傾向」を示すもので、インフルエンザを完全に防ぐという意味ではない点に注意が必要です。

国内のデータ・公的機関の評価

国内で行われた試験でも、エフルエルダは既存の標準用量ワクチンより高い抗体の反応(免疫応答)を示したと報告されています。これは体の備えがしっかり立ち上がりやすいことを示すもので、発症や入院といった結果そのものは主に海外データで評価されています。

公的機関の整理でも、65歳以上では高用量ワクチンが標準用量より一貫して高い予防効果を示し、年齢が高いほどその差が出やすい傾向があるとされています(出典: 国立健康危機管理研究機構 国立感染症研究所「高齢者に対するインフルエンザワクチン ファクトシート」)。こうした評価の積み重ねが、75歳以上を定期接種の対象とする判断につながっています。

エフルエルダの副反応・安全性は?筋肉注射の痛みが心配

高用量で、しかも筋肉注射と聞くと「痛みが強いのでは」と不安に感じる方は少なくありません。ここは具体的な頻度で見たほうが安心できるので、報告されている副反応を数字で確認しておきましょう。多くは一時的なもので、数日のうちに軽くなっていくとされています。

主な副反応とその頻度(注射部位の痛み・腫れなど)

治験で報告された主な副反応は、注射した場所と全身の症状に分けられます。もっとも多いのは注射部位の痛みで、続いて赤みや腫れがみられます。全身では筋肉痛や頭痛、だるさなどが報告されています。

種類主な症状と頻度の目安
注射した場所痛み 約45.5%/赤み 約20.4%/腫れ 約18.2%/しこり 約17.1%
全身の症状筋肉痛 約26.2%/頭痛 約23.9%/だるさ 約21.3%/発熱 約2.3%

これらは治験で得られた数値で、実際の出方には個人差があります。高用量であることと筋肉注射であることから、注射部位の痛みや腫れは標準用量より出やすい傾向がありますが、多くは一過性です。適切な部位(肩の筋肉)に正しく接種すれば、重い合併症はまれとされています。

重い副反応・接種を受けられない人

頻度はごくまれですが、重い副反応として、ショックやアナフィラキシー(急激なアレルギー反応)、神経に関わる症状などが、インフルエンザワクチンに共通する注意として挙げられています。接種後しばらくは体調の変化に気をつけることが大切です。

また、卵などの成分に強いアレルギーがある方、明らかな発熱がある方、重い急性の病気にかかっている方などは、接種を受けられない、または見合わせる場合があります。持病やアレルギー、飲んでいる薬がある場合は、接種前にかかりつけの医師・薬剤師に相談してください。最終的に接種できるかどうかは、当日の診察で医師が判断します。

こんなときは医療機関へ(受診の目安)

副反応の多くは数日でおさまりますが、次のような場合は早めに医療機関へ相談してください。自己判断で様子を見すぎないことが大切です。

  • 接種直後に、じんましん・息苦しさ・顔や唇の腫れ・血圧低下など急なアレルギー症状が出たとき(すぐに受診)
  • 注射した場所の痛みや腫れが強い、または数日たっても引かないとき
  • 腕のしびれが続く、高い熱が続くなど、いつもと違う症状があるとき

エフルエルダ接種の実務(回数・受けられる場所・60歳未満は不可)

最後に、実際に受けるときの基本的な手続きを整理します。回数や対象は決まっている一方、受けられる場所は状況によって変わるので、その点を分けて押さえておきましょう。

接種は年1回・60歳未満は受けられない

エフルエルダは、60歳以上の方に1回0.7mLを筋肉注射し、接種は年1回です。標準用量ワクチンと両方を打つ必要はなく、どちらか一方を受けるのが基本です。60歳未満の方には適応がなく、接種できません

「高用量だから2回打つ」「標準用量と重ねて打つ」といった必要はありません。1シーズンに受けるのは、エフルエルダか標準用量ワクチンのいずれか1回です。

どこで受けられる?最新情報の確認先

エフルエルダは発売からまだ日が浅い製剤のため、取り扱いを始める時期は医療機関ごとに差があります。本格的な定期接種としての運用は、2026年秋のシーズンからと見込まれています。

受けたい場合は、かかりつけ医や近くの医療機関に「エフルエルダ(高用量インフルエンザワクチン)の取り扱いがあるか」を事前に確認するのが確実です。75歳以上で定期接種として受ける場合は、自治体から届く案内や接種券の情報もあわせて確認してください。

よくある質問

エフルエルダは公費で無料で受けられますか?

2026年10月からは75歳以上が定期接種の対象で、費用の一部が公費負担になります。ただし自己負担額は自治体が設定し、無料とは限りません。60〜74歳は任意接種で全額自費です。金額は各自治体・医療機関でご確認ください。

標準用量と高用量、どちらを受ければよいですか?

一概には言えません。高用量のエフルエルダは重症化や入院の抑制が報告されていますが、標準用量は公費で受けやすい利点があります。持病や年齢、費用を踏まえ、かかりつけの医師・薬剤師にご相談のうえで選ぶのがおすすめです。

エフルエルダは認知症の予防になりますか?

インフルエンザワクチンと認知症リスクの関連を報告した研究はありますが、観察研究が中心で、因果関係や高用量に特有の効果は確立していません。認知症予防を目的としたワクチンではないため、過度な期待はせず、本来の目的である重症化予防として考えてください。

4価と3価のどちらを打つことになりますか?

世界的な方針で型を一つ減らした3価への移行が進んでおり、今後の高用量ワクチンは「高用量3価」が中心になる見込みです。高齢者の重症化予防という狙いは変わりません。具体的な製剤は接種時に最新情報をご確認ください。

接種した日にお風呂や運動はしてもよいですか?

一般的な目安として、当日の入浴は問題ないとされますが、注射した場所を強くこするのは避けましょう。激しい運動は体調をみて控えめにするのが無難です。発熱や強い痛みなど気になる症状があれば、医療機関にご相談ください。

まとめ:エフルエルダの定期接種は「年齢でまず確認」から

エフルエルダは、加齢で衰えた免疫を補うために抗原量を増やした、高齢者向けの高用量インフルエンザワクチンです。最後に、判断のもとになる要点を整理しておきます。

エフルエルダの定期接種で押さえる要点
  • 定期接種(公費)の対象は75歳以上。2026年10月からの予定
  • 60〜74歳は受けられるが任意接種(自費)、60歳未満は対象外
  • 抗原量は標準用量の約4倍。接種は年1回、0.7mLの筋肉注射
  • 費用も製剤の最新情報も変わりうるため、自治体と医療機関で確認

いちばん大事なのは、「新しいワクチンだから誰でも無料」ではなく、公費で受けられるのは75歳以上という線引きです。ここを取り違えると、費用の見込みや受けられる場所で行き違いが起きやすくなります。

高齢のご本人やご家族にとって、インフルエンザの重症化や入院をできるだけ避けたいという思いは共通だと思います。エフルエルダはその選択肢の一つですが、標準用量ワクチンを公費で受ける道もあります。

まずはご自身やご家族の年齢が「75歳以上」「60〜74歳」「60歳未満」のどこに当てはまるかを確認し、持病やアレルギーがある場合はかかりつけの医師・薬剤師に相談しましょう。そのうえで、費用と取り扱いの有無を自治体・医療機関の最新情報で確かめるのが、迷わないための第一歩です。

参考文献

本記事の作成にあたり参照した、医薬品の添付文書や公的機関の情報源です。

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