こでは鉄欠乏性貧血について解説する。英語で「iron deficiency anemia:IDA」。

鉄欠乏性貧血とは?

貧血は全身に酸素を運んでくれる細胞「赤血球」が正常よりも減少している状態を指す。

赤血球の中にはヘモグロビンという赤い色素があり、このヘモグロビンが酸素と結合して酸素を運んでくれる。

貧血になると動機や息切れがみられるのはこれが原因だ。

貧血の中でも一番多くみられるのが鉄欠乏性貧血。

文字通り鉄が欠乏している貧血だ。鉄欠乏性貧血は女性が圧倒的に多いという特徴がある。

鉄欠乏性貧血になると食事だけでは補いきれなくなるため、治療が必要となるわけだ。

鉄欠乏性貧血の原因

原因としては以下のようなものが挙げられる。

  • 月経(生理)過多、消化管出血(消化性潰瘍、痔核、大腸がん)
  • 妊婦・授乳婦、成長期の鉄の必要量増加
  • 偏食や無理なダイエット、食生活の乱れ
  • 胃切除

女性は月経、妊娠・出産・授乳、偏食や無理なダイエットによる鉄の喪失の影響が大きい。だから頻度が高い。男性の場合は消化管出血を考慮する必要がある。

鉄欠乏性貧血の症状

主な症状は顔面蒼白、倦怠感、めまい、ふらつき、動機、息切れ、頭痛、耳鳴りなど。

他に鉄欠乏性貧血に特徴的な症状として、口角炎(口の端が切れる)、舌炎(舌がしびれたり痛みが出る)、スプーン爪(Spoon Nail:爪が反り返る)などがある。

鉄欠乏性貧血の進行

鉄欠乏性貧血は以下のように進行する

  1. 貯蔵鉄が低下
  2. 血清鉄が低下

先に貯蔵鉄が使われるため、かなり進行しないと血清鉄は減少しない。

また貧血症状はHbが8~9を切るまで出現しない。血清鉄を使い切ってようやく出現する。

治療開始の目安

治療を開始するかどうかの判断だが、トランスフェリン飽和率(Tf %)が16を切った時に鉄剤の投与を考慮する。

トランスフェリン飽和率の計算方法は以下。

Tf(%)=SI/TIBC×100

  • SI(血清鉄):トランスフェリンと結合している鉄の量
  • TIBC(総鉄結合能):トランスフェリンに結合できる鉄の量
  • UIBC(不飽和鉄結合能):TIBCとSIの差
  • TIBC=SI+UIBC

鉄欠乏性貧血の治療薬

原則飲み薬で対応。

内服が困難な場合、鉄の吸収が悪い場合、出血などで急速に鉄を補充する必要がある時は注射剤を考慮する。

鉄欠乏性貧血の治療薬(内服薬)

非徐放性製剤

徐放性製剤

鉄欠乏性貧血の治療薬(注射薬)

  • フェジン(含糖酸化鉄)