鉄欠乏性貧血治療薬(鉄剤)の副作用について解説する

代表的な鉄欠乏性貧血の治療薬(鉄剤)

内服薬:非徐放性製剤

  • フェロミア(クエン酸第一鉄ナトリウム)
  • インクレミンシロップ(ピロリン酸第二鉄)

内服薬:徐放性製剤

  • フェロ・グラデュメット(乾燥硫酸鉄)
  • フェルム(フマル酸第一鉄)

注射薬

  • フェジン(含糖酸化鉄)

鉄欠乏性貧血の治療薬(鉄剤)の副作用について

内服薬、注射薬問わず、吐き気、下痢、便秘などの胃腸障害が主な副作用だ。これは鉄剤の胃腸粘膜刺激作用による。

他に頭痛や発熱もあるが、これは注射の方で頻度が高い。

多くは数日でおさまる(慣れる)が、症状が強い場合はかかりつけの医師、薬剤師に相談して欲しい。入院中であればまずは看護師に伝えてくれ。

対応策としては以下が挙げられる。

  • 非徐放性の製剤であれば徐放性製剤に変更する
  • 1日量をそのままに服用回数を増やす(分割する)
  • 服用時間を食前から食直後に変更する(食間投与もあり)
  • 減量する

非徐放性製剤(フェロミア)よりも徐放性製剤(フェロ・グラデュメット)の方が吸収が弱く、胃腸障害が軽減されている。

また、フェロ・グラデュメットは基本空腹時(他は食後)の投与だが、食直後に変更することで症状が軽減される場合がある。食間の指示が出る場合もある。

注射剤(フェジン)で注意が必要なのが、鉄が過剰にならないこと。

鉄過量時は呼吸困難やけいれんといった症状が現れ、その場合は鉄排泄促進薬であるデスフェラール(デフェロキサミン)を使用する。

ちなみに便が黒くなるが、これは鉄の色で問題はないため安心して欲しい。

あともう一つ、これも伝えておく。

小児(15歳未満)と同居している場合は注意が必要だ。子供が10錠程度鉄剤を服用した場合、急性鉄中毒で死亡する危険性がある。

たかが鉄剤と油断せず厳重に管理してくれ。何かあってからでは遅いから。