エフルエルダ筋注と従来型HAワクチンの違い|効果・副反応・選び方を薬剤師が解説

エフルエルダ筋注と従来型HAワクチンの違い|効果・副反応・選び方を薬剤師が解説
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「エフルエルダ筋注と従来型のHAワクチンは、結局どこが違うのか」。高齢のご家族に勧められて、あるいは接種する側として調べても、抗原量や制度の情報が入りまじり、かえって迷う方も多いのではないでしょうか。

とくに気になるのが、「抗原量が4倍でも安全なのか」「従来型とどちらを選べばよいのか」という点です。

そこでこの記事では、抗原量や接種経路の違い、効果と副反応、どちらを選ぶかの考え方などについて、添付文書やインタビューフォーム、厚生労働省の資料をもとに感染制御認定薬剤師の視点で整理しました。参考にしていただければ幸いです。

この記事でわかること
  • 抗原量・接種経路・対象年齢など基本の違い(早見表)
  • 発症や入院への効果を、試験ごとに正確に
  • 局所反応は多いが重篤事象は同程度という副反応の実際
  • 2026年10月からの定期接種と、どちらを選ぶかの判断材料

2026年10月からの定期接種について、対象年齢や費用を中心に確認したい方は、エフルエルダの定期接種は誰が対象?費用と違いを薬剤師が解説をご覧ください。本記事では、従来型HAワクチンとの比較を中心に扱います。

目次

エフルエルダ筋注と従来型HAワクチンの違い【早見表】

いちばん大きな違いは「抗原量」と「接種のしかた」です。エフルエルダ筋注は、従来型(標準用量)のインフルエンザHAワクチンの4倍の抗原量を、皮下ではなく筋肉(上腕三角筋)に注射する高用量ワクチンです。対象も60歳以上に限られます。

まず全体像を1枚の表で押さえます。細かい理由づけは、このあとの各章で1つずつ解説します。

項目エフルエルダ筋注(高用量)従来型HAワクチン(標準用量)
抗原量(HA画分)1株あたり60μg1株あたり15μg(0.5mL中)
抗原量の比標準用量の4倍基準(1倍)
接種経路筋肉内注射のみ(皮下・静脈内は不可)皮下注射
接種部位左右どちらかの上腕三角筋通常は上腕の外側
対象年齢60歳以上生後6か月から(全年齢)
接種回数1回13歳以上は1回または2回(12歳以下は2回)
チメロサール(防腐剤)含まない製剤により異なる(「生研」は0.004mg含有)
保存・有効期間2〜8℃・12か月10℃以下・1年
包装0.7mL×1シリンジ(針なし)1mLバイアル
2026年10月からの定期接種75歳以上が選択できる65歳以上(+60〜64歳の該当者)

表の数値は、2026年7月時点で確認できる両ワクチンの添付文書に基づいています。抗原量・経路・対象年齢が違えば、当然「向いている人」も変わります。次章から、その中身を具体的に見ていきます。

エフルエルダは高用量4価ワクチンとして承認されています。一方、国内の標準用量ワクチンは3価へ移行しており、2026/27シーズンに向けて3価の高用量ワクチンが発売される予定とされています。実際に接種する製剤の組成や添付文書は、接種時点の最新情報を確認してください。

違いを1つずつ解説

早見表の各項目を、根拠とセットで掘り下げます。数字の意味が分かると、あとの「どちらを選ぶか」で迷いにくくなります。

抗原量の違い:1株15μgから60μg(4倍)

エフルエルダは1株あたり60μg、従来型(標準用量)は0.5mL中に15μgの抗原(HA画分)を含みます。つまり抗原量は4倍です。HA画分とは、インフルエンザウイルスの表面にあるヘムアグルチニンというタンパク質の成分で、この量が免疫を引き出す力のもとになります。

厚生労働省の審議会資料でも、各株のHAが15μgになるよう調整したものを「標準量」、60μgになるよう調整したものを「高用量」と定義しています。「高用量」という言葉は、この抗原量の多さを指しています。

「4倍量」と聞くと不安になるかもしれませんが、これは抗原の量が4倍という意味で、副反応や効果がそのまま4倍になるという意味ではありません。効果と安全性は、後の章で試験データをもとに整理します。

接種経路・部位の違い:皮下注から筋肉内注射(上腕三角筋)

エフルエルダは筋肉内注射のみで、接種部位は左右どちらかの上腕三角筋です。皮下注射や静脈内注射はできません。一方、従来型のHAワクチンは皮下注射で、通常は上腕の外側に打ちます。長く皮下注射に慣れてきた日本では、この「筋注への変化」がとまどいの一因になっています。

エフルエルダは注射針の付いていない「針なしシリンジ」で供給されるため、接種する側は筋肉内注射に適した針を別に用意します。誤って皮下に打つと、想定した接種方法から外れてしまいます。打つ側にとっては、ここが従来型といちばん違う実務ポイントです。

対象年齢・接種回数の違い:エフルエルダは60歳以上に1回

エフルエルダの対象は60歳以上で、接種は1回です。これは、高齢者で標準用量の効果が下がりやすいという課題に応えて設計されたワクチンだからです。60歳未満の人への接種は承認されていません。

従来型のHAワクチンは、生後6か月から接種でき、年齢の上限はありません。回数は、13歳以上なら1回または1〜4週間隔で2回、12歳以下は2回が基本です。子ども・現役世代・高齢者まで幅広く使えるのが従来型の特徴です。

添加剤・保存・包装の違い(チメロサール、針なしシリンジ)

細かいですが、実務や体質によっては気になる違いもあります。エフルエルダの添付文書には、防腐剤のチメロサール(水銀化合物)の記載がありません。従来型では、たとえば「生研」はチメロサールを0.004mg含み、過敏症の注意が添付文書に書かれています。

ただし、標準用量のワクチンは製造販売会社ごとに添加剤が異なります。「従来型はすべてチメロサール入り」ではありません。気になる場合は、実際に打つ製剤の添付文書を確認するのが確実です。保存条件と包装も、エフルエルダは2〜8℃で12か月・針なしシリンジ、「生研」は10℃以下で1年・バイアルと違います。

なぜ高齢者に高用量が必要なのか(免疫老化と、標準用量の効果の頭打ち)

高齢者では、標準用量のワクチンで得られる予防効果が下がりやすいことが背景にあります。年齢を重ねると免疫の働きが変化し(免疫老化)、同じワクチンを打っても若い人ほど抗体が上がりにくくなります。ここを抗原量で補おうというのが、高用量ワクチンの考え方です。

実際、テストネガティブデザインという手法を用いた解析では、ワクチンの効果は65歳以上で30.6%だったのに対し、18歳未満では48.6%、18〜64歳では36.7%と報告されています。国内の解析でも、65歳未満の40.1%に対し65歳以上は12.9%と、高齢層で効果が下がる傾向が示されています。数字はシーズンや流行株の一致状況で変わるものの、高齢層で効果が下がる傾向自体は変わりません。

ワクチンの仕組みそのものは、高用量でも従来型でも同じです。HA(ヘムアグルチニン)はウイルスが体の細胞にくっつくときに使う表面の抗原で、これに対する抗体ができると、感染や発症を防ぐ盾になります。高用量は、この抗原を多く入れることで、高齢者でも効率よく免疫を引き出すことを狙っています。

効果はどれだけ違うのか(試験別に正確に)

ここが、いちばん誤解の多いところです。「入院が約25%減る」といった表現を見かけますが、何に対する何%かは試験ごとに違います。「抗体の上がりやすさ」「発症の予防」「入院の予防」は別の指標です。混同すると期待が過大になるので、試験ごとに正確に分けて見ていきます。

国内第III相試験(QHD00010):抗体価が2〜3倍

60歳以上の日本人2,100例を対象に、承認時の高用量4価ワクチン(筋注)と国内既承認の標準用量4価ワクチン(皮下注)を比べた試験です。接種28日後の抗体価の比(GMT比)は、A/H1N1で2.81、A/H3N2で2.25、B/ビクトリアで2.55、B/山形で3.12でした。抗体が上がった人の割合(抗体陽転率)も、高用量74.4〜79.2%に対し標準用量39.0〜47.9%と差がつきました。

ただし、この試験が主に見ているのは「抗体の上がりやすさ(免疫原性)」であって、「発症をどれだけ防いだか」そのものではありません。抗体が高く上がることは期待できる材料ですが、発症予防の数字はこの後の試験で見ます。

海外FIM12:検査確定インフルエンザの発症が相対的に24.2%少ない

65歳以上の約3万2千人を対象にした海外の大規模試験です。検査で確認されたインフルエンザの発症率は、高用量1.43%に対し標準用量1.89%で、標準用量と比べた相対的な有効率は24.24%(95%信頼区間 9.69〜36.52)でした。重篤な有害事象の割合は、高用量8.27%・標準用量9.02%とほぼ同じでした。

この24.2%は「発症」が相対的に少なかったという数字で、「入院が24%(25%)減る」という意味ではありません。ほかの解説でも混同されがちですが、発症と入院は別の指標です。

FLUNITY-HD(46万人):肺炎・インフルエンザ入院を8.8%低下

では入院はどうか。65歳以上の延べ46万人以上を対象にした試験のプール解析があります。主要な指標である「肺炎またはインフルエンザによる入院」は、高用量で標準用量より8.8%低下しました。あわせて、検査確定インフルエンザによる入院は31.9%低下、心肺疾患による入院は6.3%低下、原因を問わない入院は2.2%低下と報告されています。

重篤な有害事象は両群で差がありませんでした。

同じ「入院」でも、「インフルエンザと確認された入院」に絞れば低下幅は大きく(31.9%)、対象を広げるほど数字は小さくなります。「入院が何%減る」と一言で語れないのは、このためです。

メタ解析:年齢が上がるほど上乗せが大きい傾向

複数の試験をまとめた解析では、標準用量と比べた高用量の上乗せ効果は、インフルエンザ様疾患の発症で14.3%、インフルエンザ関連入院で11.2%、肺炎による入院で27.8%と、評価項目ごとに幅があります。

そして年齢が上がるほど上乗せが大きくなる傾向が示されており、たとえばインフルエンザ様疾患の発症では75歳以上で24.8%と報告されています。この「高齢ほど効きめの差が開く」という点が、あとで触れる75歳という線引きの根拠にもつながっています。

副反応は強いのか(局所の痛みは多いが、重篤な事象は同程度)

結論から言うと、注射部位の痛みなど局所の反応は高用量でやや多い傾向がありますが、多くは軽く2〜3日でおさまり、重篤な事象の頻度は標準用量と同程度と評価されています。「4倍量だから副反応も4倍」ではありません。

エフルエルダの添付文書では、注射部位の痛みが43.8%で、頭痛・筋肉痛・倦怠感も10%以上とされています。国内試験(1,049例)では、痛み48.0%、紅斑8.2%、腫れ7.8%、しこり5.0%、筋肉痛18.8%、頭痛10.0%、倦怠感9.7%でした。

従来型HAワクチンでは、局所の赤み・腫れ・痛みが接種者の10〜20%、発熱や倦怠感などの全身反応が5〜10%程度で、いずれも通常2〜3日で消えるとされています。

重大な副反応の項目は、標準用量でも高用量でも同じです。ショックやアナフィラキシー、急性散在性脳脊髄炎(ADEM)、ギラン・バレー症候群、けいれん、血小板減少などが、いずれのワクチンでも「頻度不明」の重大な副反応として添付文書に記載されています。

厚生労働省のワクチン小委員会も、高用量は局所・全身の反応がやや多い傾向はあるものの、重篤な有害事象の頻度は同等で重大な懸念は認められない、と評価しています。

もう1つ、注射そのものへの反応として、接種直後の血管迷走神経反射(立ちくらみや失神)にも注意が必要です。エフルエルダの添付文書にも、接種後は一定時間座らせるなどして様子を見ることが望ましいと書かれています。

アナフィラキシーの観点からも、接種後30分ほどは医療機関の中で安静にするのが基本です(医療機関により安静時間は異なる場合があります)。

接種後にじんましん・息苦しさ・顔やのどの腫れが出たときは、アナフィラキシーの疑いがあるためすぐに医療機関へ。数日から2週間後の発熱・けいれん・手足の力が入らない・しびれが広がるといった症状や、強い痛み・広い腫れ・紫斑が続くときも、早めに受診してください。

【2026年10月から】定期接種での扱い

2026年10月1日から、高齢者インフルエンザの定期接種で使えるワクチンに高用量ワクチンが加わり、対象は75歳以上とされています。75歳以上では標準用量または高用量のいずれかを毎年度1回選択します。高用量を用いる場合は、0.7mLを1回筋肉内接種します。

対象定期接種で選べるワクチン
75歳以上標準用量 または 高用量
65〜74歳標準用量
60〜64歳で心臓・腎臓・呼吸器の機能障害またはHIVによる免疫機能障害がある人標準用量

エフルエルダの承認上の対象は60歳以上ですが、60〜74歳で高用量を希望する場合は任意接種(自費)です。標準用量については、65歳以上と、60〜64歳のうち一定の基礎疾患がある人が従来どおり定期接種の対象になります。

どちらを選べばよいか(年齢・基礎疾患・費用・痛みの許容度で考える)

「どちらが優れているか」という一択の問題ではありません。標準用量も定期接種のワクチンとして有効性が認められており、75歳未満の定期接種は標準用量が対象です。高用量は、高齢者で下がりやすい効果を抗原量で補う選択肢だと考えると整理できます。判断の材料になるのは、次のような点です。

  • 年齢:高齢になるほど、高用量の上乗せが大きくなる傾向がある
  • 費用:定期接種の対象なら公費で受けやすい。対象外で高用量を選ぶと自費になる
  • 体質・基礎疾患:抗凝固薬を使っている、卵アレルギーがあるなど、事前に相談したほうがよい条件がある
  • 痛みの許容度:筋肉注射は局所の痛みがやや出やすい傾向がある

専門家の見解も参考になります。日本感染症学会のインフルエンザ委員会は2026年6月27日に、定期接種の対象は75歳以上であることを踏まえたうえで、適応年齢である「60歳以上のすべての人」に接種を推奨するとの見解を出しています。

ドイツは60歳以上に、米国や英国は高用量などを標準用量より優先することを推奨しており、国際的にも高齢者への高用量が広がっています。なおこの学会見解には、一部委員の利益相反(企業からの講演料など)が文書内で開示されています。

大切なのは、この記事の役割は「主治医と話すときの材料をそろえること」だという点です。持病や飲んでいる薬、これまでの接種歴によって最適な選択は変わります。最終的にどちらを打つかは、かかりつけの医師・薬剤師と相談して決めてください。

打つ側の実務チェックリスト(医療者向け)

ここは接種する医療者向けに実務の要点を整理します。エフルエルダは従来型と手技が違うため、皮下注の感覚のままだと取り違えのもとになります。いずれも添付文書の記載に沿っています。

筋注の手技・針長・三角筋(皮下注・静注は不可)

  1. 針なしシリンジのため、滅菌ディスポの注射針を被接種者ごとに用意する
  2. 冷蔵庫から取り出し、室温になってから必ず振り混ぜ、均等にして使用する
  3. 他のワクチンと混合しない
  4. 筋肉内注射のみ。皮下注射・静脈内注射はしない
  5. 接種部位は左右どちらかの上腕三角筋。注射針の先端が血管内に刺入していないことを確認する
  6. 針長は神経・血管・骨に達しないよう被接種者ごとに決め、神経走行部位を避ける
  7. 注射針を刺入したときに激痛を訴えたり、血液の逆流を認めた場合は、直ちに針を抜き、部位を変えて接種する

また、接種直後または接種後に血管迷走神経反射による失神があらわれることがあります。失神による転倒や外傷を避けるため、接種後は一定時間座らせるなどして状態を観察します。高齢者施設では、観察後に立ち上がる際のふらつきにも注意が必要です。

抗凝固療法中・出血リスクのある人への注意

エフルエルダの添付文書には、標準用量のHAワクチンには無い接種要注意の項目があります。「血小板減少症、凝固障害のある者、抗凝固療法を施行している者」は、筋肉注射部位の出血のおそれがあるとして注意が必要とされています。これは筋注に固有の注意で、皮下注の従来型では問題になりにくかった点です。

該当する人でも接種できないわけではありませんが、必要性と出血リスクを勘案し、事前に主治医と相談したうえで慎重に接種します。接種後の圧迫のしかたなど細かな手技については、高齢者・本剤に対する明確な記載は添付文書にありません。

小児の筋注の手引きに示される一般的な方法が引用されることはありますが、対象年齢が異なるため、あくまで一般則として控えめに扱うのが安全です。

同時接種・接種時期の考え方

同時接種は、医師が必要と認めた場合に他のワクチンと行えます(混合はせず、異なる部位に接種します)。定期接種上も、他のワクチンとの接種間隔の定めは置かず、同時接種は医師が特に必要と認めた場合に可能とされています。

高齢者では、帯状疱疹ワクチンなど他の予防接種と時期が重なることもあります。ワクチンごとに性質が違うため、帯状疱疹ワクチンの種類の違いのように仕組みを押さえたうえで、接種の順番や時期を主治医と相談しておくと計画が立てられます。

接種時期は、例年12月から3月に流行し、1月末から3月上旬にピークを迎えることから、12月中旬までに接種を終えるのが望ましいとされています。標準用量HAワクチンの添付文書では、接種1か月後に77%、3か月後に78.8%、5か月後に50.8%が有効な抗体水準を保つとされ、株が一致した場合の効果の持続はおよそ3か月と記載されています。

流行の入り口に合わせて接種時期を設計するのが実務の基本です。

よくある質問

エフルエルダはmRNAワクチンやレプリコンワクチンですか?

いいえ。エフルエルダはウイルスの成分を使った不活化のHAワクチンです。レプリコンワクチンは新型コロナ用のもので、国内で使われているインフルエンザワクチンは不活化HAと経鼻の弱毒生ワクチンのみです。

卵アレルギーがあっても接種できますか?

両ワクチンとも発育鶏卵で製造されるため、鶏卵などにアレルギーがある人は接種要注意者とされています。禁忌ではありませんが、接種の可否は自己判断せず、事前に医師・薬剤師にご相談ください。成分でアナフィラキシーの既往がある場合は接種できません。

去年打ったので、今年は接種しなくてもよいですか?

流行に合わせて製造される株が毎年見直されるため、今年もあらためて接種を検討することがすすめられます。高齢者の定期接種は毎年度1回です。判断に迷うときはかかりつけ医にご相談ください。

今年のインフルエンザワクチンは何型が入っていますか?

国内の標準用量ワクチンは3価へ移行しており、A型2種類(H1N1・H3N2)とB型ビクトリア系統が含まれます。エフルエルダは高用量4価ワクチンとして承認されていますが、2026/27シーズンに向けて3価の高用量ワクチンが発売される予定とされています。接種時には、実際に使用される製剤と最新の添付文書を確認してください。

抗原量が4倍だと、副反応も4倍になりますか?

いいえ。注射部位の痛みなど局所の反応は高用量でやや多い傾向がありますが、多くは軽く数日でおさまり、重篤な事象の頻度は標準用量と同程度と評価されています。抗原量の比と副反応の強さは比例しません。

エフルエルダ筋注と従来型HAワクチンの違いのまとめ

ここまでの要点を整理します。細かい数字は忘れてもこの骨格だけ押さえておけば、接種の相談で迷いにくいです。

エフルエルダと従来型の違い・要点
  • 抗原量が4倍(1株15μg→60μg)で、皮下注ではなく上腕三角筋への筋肉内注射
  • 対象は60歳以上に1回。高齢者で下がりやすい効果を抗原量で補う狙い
  • 効果は評価項目ごとに幅がある。発症で相対的に約24%、肺炎・インフル入院で約8.8%の低下
  • 局所の痛みはやや多いが、重篤な事象の頻度は標準用量と同程度
  • 2026年10月から75歳以上が公費で選べる。60〜74歳で高用量は当面は自費

いちばんの違いは、抗原量を4倍にして高齢者の免疫の衰えを補う高用量ワクチンだという点です。ただし「4倍だから4倍効く・4倍危ない」わけではなく、発症・入院への効果は評価項目ごとに幅があり、副反応の重い部分は標準用量と同程度でした。

2026年10月からは、75歳以上の人が定期接種で高用量を選べるようになります。60〜74歳で高用量を希望する場合は当面は自費で、抗凝固薬を使っている・卵アレルギーがあるといった人は接種前の相談が特に大切です。

どちらが自分や家族に合うかは、年齢・費用・体質を踏まえて変わります。迷ったら、かかりつけの医師・薬剤師に相談して決めてください。定期接種の対象や費用については、エフルエルダの定期接種は誰が対象?費用と違いを薬剤師が解説で詳しく確認できます。

参考文献

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この記事を書いた人

花(はな)|病院薬剤師・感染制御認定薬剤師・病院薬学認定薬剤師
病院薬剤師として20年以上勤務し、現在も医療現場でICT(感染対策)やAST(抗菌薬適正使用)などに携わっています。記事では電子添文、インタビューフォーム、診療ガイドライン、公的機関・学会の資料などを確認し、医薬品や感染症に関する情報を分かりやすくまとめています。

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