「あれ?ガンマってどう計算するんだっけ?」
ICUや救急現場、オペ室でよく見かける”ガンマ(γ)”の指示。わかってはいても、毎回mL/hに直すのが手間…という声、多いですよね。
特に急変対応や緊急投与の場面では、一瞬の判断ミスが命取りにもなりかねません。
この記事では、そんな煩雑なγ計算を”2ステップで誰でも一発換算”できる方法を、例付きで徹底的に解説します。
どんなに計算が苦手でも、この記事を読めばもう二度と悩みません。
現場で使える「体重別早見表」や「薬剤ごとの換算例」も掲載しているので、計算に迷ったときの確認用として参考にしてください。
はじめに:ガンマ(γ)とは
ガンマ(γ)は、「μg/kg/min(マイクログラム/体重kg/分)」という単位で、薬剤の投与速度を示す指標です。
特に、昇圧薬や強心薬などを使用する場面で使用され、患者の体重をもとに個別の投与設計を行うために不可欠な単位です。
ただし、そのままではポンプの流量設定(mL/h)に使えないため、mg/hへの変換 → mL/hへの換算というステップが必要になります。
以下では、その換算を「誰でもすぐにできる形」に整理して解説していきます。
基本の変換式:1γをmg/hに換算する方法
まず、1γの基本単位は以下の通りです。
1γ = 1μg / kg / min
体重は後から掛けるので:
1γ = 1× 体重(μg/min)
体重を仮に50kgとすると:
1γ = 1 × 50(μg/min)
1時間(=60分)あたりに換算すると:
1γ = 1 × 体重 × 60(μg/h)
これをmgに変換するには÷1000:
1γ = 1 / 1000 × 体重 ×60 (mg/h)
つまり、全薬剤に共通して以下の計算式が使えます。
1γ = 0.06 × 体重(mg/h)
この式さえ覚えれば、mg/hの算出は一発です。
体重別:1γ(ガンマ)のmg/h一覧表
体重(kg) | 1γ(mg/h) |
---|---|
30 | 1.8 |
40 | 2.4 |
50 | 3.0 |
60 | 3.6 |
70 | 4.2 |
80 | 4.8 |
90 | 5.4 |
100 | 6.0 |
この早見表をスクリーンショットしておくと、現場での換算が格段に楽になります。
薬剤ごとの「mg → mL」換算を忘れずに
mg/hが求まっても、実際の投与では「何mL/hで流すか」が必要です。
薬剤によって濃度(力価)が異なるため、「1mg=〇mL」という情報を確認してからmL/hを求めましょう。
例①:ペルジピン注射液(10mg/10mL)
- 薬剤:ペルジピン注射液10mg/10mL(=1mg/mL)
- 患者体重:50kg
- 指示:0.5~6γ
1γ = 0.06 × 体重(mg/h)
まず1γのmg/hを計算:
1γ = 0.06 × 50 = 3mg/h
薬剤は1mg=1mLなので:
1γ = 3mL/h
つまり、0.5~6γは:
0.5γ = 1.5mL/h
6γ = 18mL/h
→ 1.5~18mL/hで投与となります。
例②:ドパミン600mgキット(600mg/200mL)
- 薬剤:ドパミン点滴静注液600mg/200mL(=1mLあたり3mg)
- 患者体重:60kg
- 指示:1~20γ
1γ = 0.06 × 体重(mg/h)
まず1γのmg/hを計算:
1γ = 0.06 × 60 = 3.6mg/h
ドパミンは3mg=1mL → 3.6mg ÷ 3 = 1.2mL/h
つまり、1~20γは:
1γ = 1.2mL/h
20γ = 24mL/h
→ 1.2~24mL/hで投与となります。
まとめ:ガンマ計算はこの2ステップだけでOK!
- 「1γ = 0.06 × 体重(mg/h)」でmg/hを算出
- 薬剤の「力価(mg/mL)」で割ればmL/hが出る
必要に応じて、体重別の早見表と薬剤別の力価一覧を手元に置いておけば、現場でもサクッと計算できます。